沖縄・離島の旅

離島大好きっ子の沖縄・離島の旅

肺気胸(自然気胸)とダイビング

 

離島大好きっ子はダイビングをしない。理由は10年ほど前に肺気胸(自然気胸)を患ってしまったためである。肺気胸を患うとなぜダイビングができなくなるのか?

出発準備をするダイビングボート

出発準備をするダイビングボート

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肺気胸とはどんな病気なのか?

まず肺気胸というものを説明しよう。簡単に言うと肺の外壁に小さな泡のような形状のブラ(ブレブ)といわれるものができ、それが破れて肺から空気が漏れてしまう病気である。治療方法はそのブラの穴が自然に塞がるのを待つか、ブラそのものを手術で切り取り、切り取り後の肺の穴を縫い合わせるか(今時はホチキスで止めるw)のどちらかである。手術は開胸手術となる。昔は肋骨を切断して施す激しい手術だったが、今はわき腹に小さな穴を開けてそこから細い器具とカメラスコープを突っ込んで遠隔操作チックに行われる。俺の場合は自然に塞がらなかったため、結局手術を受けた。

ぜんぜん簡単な説明じゃないな(汗)

切り餅を焼くでしょ?膨らむでしょ?あれがここでいうブラ。切り餅が肺。膨らんだ部分(ブラ)を取っちゃったら切り餅に穴が空くよね。そんな感じである。(切り餅を焼くたびにこの話を思い出しちゃう人が出てくるかな?汗)

参考までに、身長170cmぐらいの痩せ型な男性、そしてイケメンがかかりやすいそうだ(笑)もちろん喫煙者は発症確立が高くなる。なんでイケメンがかかりやすいのかは知らんし、自分でイケメンだと思ったこともないが、俺が入院したときに外科医が看護婦さんに「ほらほらまたイケメンさんの肺気胸だよー」と紹介していたのを覚えている。(をいw)

どうやって自分が発症したのかは不明。ある日会社へ行こうとしたところ、歩くたびにわき腹が痛くなり、「これはおかしい」と思って病院でレントゲンを撮ったときに発覚した。なぜわき腹が痛くなったかというと、肺に穴が開くと息を吸っても肺が身体の中で膨らまなくなり、しぼんだ肺が横隔膜に当たるからだ。イメージできるかな?ゴム風船を牛乳ビンの中で膨らましてみよう。ビンの中でゴム風船がいっぱいいっぱいに膨らんだ状態が、人間でいう大きく息を吸い込んだ状態だ。対してゴム風船をしぼませてみよう。牛乳ビンの中でゴム風船がぷらぷらするでしょ?これが肺に穴の開いた状態である。(牛乳ビンとゴム風船を見るたびにこの話を思い出しちゃう人が出てくるかな?汗)

実際には身体という入れ物を大きく膨らませることで、その身体の中の空間にある肺も一緒に広がるという仕組みだ。肺に穴が空けば入れ物の身体が大きく膨らんでも、その中の空間にある肺は一緒に膨らまない。なぜなら穴から空気が漏れるからだ。つまり身体という入れ物と、肺という袋の間に隙間があり、そこには負圧がかかっているという仕組みなのだ。(これは難しい話だな。)

待合室の順番を何人も吹っ飛ばして診察を受け、偉そうな 先生がレントゲン写真を見ながらそばに居た若い研修医に「ほーら良く見てごらん、これはわかりやすい。これが肺気胸だよ」と言っていたのを覚えている。(をいw)

そのまま外科に回され、外科医がレントゲン写真を見るなり「おー空いてるねーこりゃ入院だねー」と軽く診断。

俺:一旦帰って入院の支度しますね
医:今から入院に決まってんだろ!
俺:マジっスか!
医:事の重大さが判ってない!死ぬぞ!

医者に死ぬぞと言われりゃ従うしかねーわな。というわけで即日で10日間ほど入院してみた。参考までに総費用は約20万円(健康保険適用)だった。医療保険に入ってて良かった(汗)退院時に請求書を見た俺が「2万円っスか?」と言ったら「ケタが違います」と返ってきたのが忘れられない(笑)

なぜ肺気胸を患うとダイビングができなくなるの?

さて、肺気胸の説明が長くなってしまったが、ここからがダイビングができない理由の説明となる。(長くてスマソ)

自然治癒で治った場合、その部分は弱いままだ。これが潜水中に破れたらどうなるだろうか?ブラを切除して穴を塞ぐ手術をしたとしても、根本的に肺気胸を患ったということは、その傷跡を含めて肺壁が弱いのではないだろうか?見つかってないだけで新しいブラがある可能性も否定できない。

潜水中に肺に穴が開くとかなりヤバイ。もしかしたら緊張性気胸という、命にかかわる病気につながるかもしれない。

潜水中は高圧の空気をボンベから吸っている。同時に身体には水圧がかかっている。つまり身体も肺も高負荷な状況下にある。もしその状況下で気胸を再発してしまったら・・否、高負荷な状況下だからこそ再発する可能性が高いと考えるべきだろう・・

タンクタンクタンク・・

タンクタンクタンク・・

よって肺気胸経験者はどんなに訓練をしたり知識を付けるために勉強したところでダイビングをやってはいけないのだ。それは再発する可能性があり、命にかかわることだからだ。

肺気胸の経験を隠してダイビングショップを利用しようものなら、万が一の事故時に偉い騒ぎとなる。ダイビングショップだって責任を問われる。だから肺気胸が完治していようが体力のありそうなスポーツマンに見えようが、肺気胸経験者の利用をダイビングショップは断るのだ。

話は長くなったが、そんな理由で離島大好きっ子はダイビングをしないでシュノーケリングを楽しんでいる。しかし最近潜水時間も長く、深く潜れるようにもなったから気をつけないとイカンね。

シュノーケリングでも珍しいリュウキュウキッカサンゴぐらいは見れるさ

シュノーケリングでも珍しいリュウキュウキッカサンゴぐらいは見れるさ

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